· 

淡路島 富島港クルージング(その2)

淡路島 富島港クルージング(その2)

 

 富島港の防波堤には、ところどころで釣り人が竿を垂れているものの、今日は日曜日のため漁船の動きはなく漁協組合もお休みで、カモメや海鳥のみが集う、静かな漁港の風景です。

 

  【船の形をした「かんぽの宿」】
  【船の形をした「かんぽの宿」】

 Aeolus艇内で無事着岸の祝杯

 澄み渡った青空の中、私たちはAeolus艇内で無事着岸の祝杯を挙げ、時々カモメや鷺が私たちのまじかまで食べ物を求めて飛来するのを眺めていた。

 Yさんの帰宅の時間が迫って来たので、私たちは2時間に1本程度(日曜日)の近くのバス停まで彼を見送った。ここから7km程度南下した北淡ICまで淡路バスで行き神戸方面の高速バスに乗り換えるとの事です。

 港のすぐ通り向かいに出光のガソリンスタンドがあり、日曜日も営業しており、私たちは明日午前中、時間があるので明日ガソリンを買うこととして、今日はトイレを使わせていただいた。

 

 「かんぽの宿」で入浴

 近くのタバコ屋さんで、「かんぽの宿」で入浴のみ600円で入れることを聞き、早速出掛けることとした。

 「かんぽの宿」は丘の上にあり、船で富島港を訪れる際も“船の形”をした「かんぽの宿」は格好の目標となり、港から徒歩で15分程度であった。

 5階にあるパノラマ大浴場はクルージングの汗を流しながら、富島港近辺と播磨灘対岸の明石から姫路方面も一望でき、素晴らしい景色を見ることができた。

 「かんぽの宿」での食事は2時までの予約となっており、私たちはその予約時間には間に合わず、一旦Aeolusに戻った。

 

【道路右の黒い屋根が「しいのみ」です】
【道路右の黒い屋根が「しいのみ」です】

 期間限定の「しらす丼」を

          食べてみよう

 私たちはレトルト食品のカレーライスなどは船内食として用意してきているが、クルージング先の名物を食べるのも一つの目的であるので、今晩は淡路名物の期間限定の「しらす丼」を食べてみようということになった。

 息子がネットで調べてみると、近くに「しらす丼」を出す料理店があるという。徒歩で20分、バスでふた停留所の所だという。私たちは今晩は十分時間があるので出かけることとした。バス通り(県道31号)まで出て、北行(岩屋行)のバス停の時刻を見ると、たまたま5分程度でバスが来る予定なので、それに乗ることとした。

 料理店は「しいのみ」と言い、バス停から5分程度の畑の中にあり、隣は美容院か何かであった。夜の部は5時半からと聞いていたので、時刻も丁度そのころとなり、暖簾を潜った。

 

 「しらす丼と蛸のから揚げセット」を大変美味しくいただきました

 時刻が早いので、もちろん客は私たちだけです。店はテーブル椅子席と座敷があり、私たちは椅子席で「しらす丼と蛸のから揚げセット(1050円)」に「生中」を注文した。ところが、生中が丁度切らして一杯しかないという。「料理店でビールの生中を切らすとは・・・!」と私たちはぶつぶつ言いながら、止むを得ず私は生中、息子は「ウイスキーのカクテル」を注文した。椅子席の正面に焼酎の陳列棚があり各地の銘酒が並べてあった。「焼酎なら、いろいろあるのだ!」と息子と納得することとした。

 注文の「しらす丼と蛸のから揚げセット」が出て来た。「しらす丼」はご飯の上に生のしらすが乗り、専用のぽん酢ベースのたれにねぎと大根おろしとおろししょうがを入れて混ぜてから丼にぶっかけて食べます。ぽん酢ベースのたれが抜群で、新鮮な生のしらすはくせもなく、大変美味しくいただきました。また、揚げたての蛸のから揚げも絶品で、新鮮な明石海峡の蛸ならではの美味しさでした。

 

  【播磨灘の夕暮れ(富島海岸より】
  【播磨灘の夕暮れ(富島海岸より】

 夕暮れ迫る穏やかな海と

      夕日が実に素晴らしい

 私たちは店を出て、夕暮れ時の海岸へ向かいました。富島海岸から見る播磨灘は丁度、日の入りの時刻で夕暮れ迫る穏やかな海と夕日とのコントラストは実に素晴らしく、この光景にシャッターを切る人たちもあちこちで見受けました。

 ただ、ひとつ残念だったことは、この海岸に海からのごみや缶ビン類のごみが散乱していたことです。この町の「素晴らしい景色」を観光資源に生かして、より一層の観光客を呼び込むために、役場の人や住民が海岸を清掃し、街並みを整備するなら、必ずや素晴らしい観光地となることでしょう。

私たちはこんなことを話しながら海岸の堤防を歩いて、すでに暗くなった富島港のAeolusに戻りました。

 

 艇内の寒さと出漁の漁船のエンジン音で目を覚ましました

 29日の朝は、上空の寒気団の南下により例年のゴールデンウイークよりも寒く、艇内の寒さと出漁の漁船のエンジン音で目を覚ましました。時刻はまだ4時前で、あたりは真っ暗の中、次々と漁船は出港していきます。

 私たちは上着をもう一枚重ね着して再び寝袋に潜った。次に目を覚ましたのは6時過ぎ、キャビンから顔を出すと青空の上天気である。

  Aeolusの船尾に停泊していた漁船も出漁してもういない、寝袋を片付け、漁協の水産物センターのトイレを借りる。水産物センターの生簀には鯛が数尾泳いでおり、時折生簀を飛び跳ねている。

 息子を起こし、朝食の用意をする。テーブルにカセットコンロを置いてコッフェルの大なべでお湯を沸かす。朝食のどん兵衛用とポット用のお湯である。昨日からこの港は全く波がなく船が揺れないので、お湯を沸かすのも艇内で全く問題がない。唯一、今朝方は漁船の出漁で引き波を受けたが・・・・。

 どん兵衛のきつねうどんとそばで、朝食を取りながら、出港は予定より1時間早く11時出港と決め、それまでにガソリンを購入し、富島の町を散策することとした。

 Aeolusの前後では漁師が、のり網の荷揚げ作業をし始めた。年配の漁師にわが艇が作業の邪魔にならないか確認したが問題ないようで、「どこから来たんや」と聞かれた。「西宮から」と答えると、その漁師はうなずいて再びフォクリフトで、のり網を荷揚げし始めた。

 帰りのガソリンは20L程度残っていたので、出光のガソリンスタンドであと10Lだけ買い足した

 

 「炭焼あなご」の看板が見えます

 今日はいい天気ですので、息子と少し富島の町を散策することとした。昨日も今日も祝日のせいか通りに人影はなく、県道31号線沿いを南下していくと、右側に郵便局があり、続いて市役所北淡事務所があり、公民館がありますがいずれも今日はお休みで人影は見当たりません。この辺りがこの町のメインストリートかなと話しながら歩いていると、どこからかうなぎを焼く香ばしい匂いが漂ってきます。

 それは公民館の道路向かいで、前に駐車場スペースを取り、少し控えたところにプレハブのような建物があり、「炭焼あなご」の看板が見えます。

 中では白い服を着たおばさんたちが忙しそうに働いています。「穴子っていくらするのか聞いてみよう!」と県道から右に入る路地側の戸を開けて、穴子を計量したり包装したりしているおばさんに尋ねたところ。一皿1000円で、4尾入っているという。「ここで食べるので2尾に出来ますか」と聞くと「2尾で500円」との返事でした。私たちは2尾入りの皿をビニールに入れ、その上から新聞紙でくるんでもらった。

 あとでネットで調べてみると、その店は「魚増鮮魚店」と言い、淡路島で「炭焼き穴子」で有名だそうです。

 私たちは帰りは堤防沿いにところどころで家族ずれで釣りを楽しんでいる人たちを見ながら、Aeolusに戻った。

 艇内で先ほど買った焼き穴子を食べた。身がふっくらとして大変美味しかったです。

 

  【今日は100%稼働の発電用風車群】
  【今日は100%稼働の発電用風車群】

 定刻の11:00に

      富島港を出港した

 いよいよ出港の時間です。私たちは定刻の11:00に富島港を出港した。海は実に穏やかで、「鏡のような海」とはこのような状態のことを指すのでしょう。

 大きな赤灯台を過ぎると北に変針して、メインセールを上げました。風が無風状態ですのでジブセールは止め、機帆走で進みます。

 富島港沖では釣り船が2~3隻程度見られますが、多くはありません。左右ののり網エリアを抜けると、北東へ変針して淡路島沿いに明石海峡大橋を目指します。

 今日の発電用風車群は100%稼動しています。はるか西に緑色の貨物船が見え、東に航行しています。いずれ海峡当たりで並行して進むこととなるだろうと思いながら進みます。

 

 海峡大橋を12:05に通過しました

 今日もパトロールの巡視船が北西方向にあり、しばらく東に向かっていたが、突如Uターンして西に向かいしばらくして停船しました。航路の交通状態を監視しているようです。

 明石海峡の航路に入り、わが艇は出来るだけ東行航路の右側を航路に沿って南東に進みます。明石海峡大橋に近づくに連れて、北西の風が出てきましたアビームの風を受けてわが艇は少し波立つ海峡大橋を12:05に通過しました。

 明石海峡の潮流は12:25に東行に転流しますので、ほぼ自力で海峡大橋を通過したことになります。

 先ほどの緑色の貨物船が左後方500m程度に迫っています。わが艇は進路を南東に保持して、同貨物船がわが艇を追い越した後、東に変針して神戸空港のある神戸スカイブリッジを目指します。

 

【LUMINOUS KOBE 2 (Aeolusより撮影)】
【LUMINOUS KOBE 2 (Aeolusより撮影)】

 クルーズ船

「LUMINOUS KOBE 2」と遭遇

 須磨の沖合辺りを東に通過中、前方から明石海峡大橋に向かう客船がやって来ました。船首がスマートに前にせり出し「貴婦人」を思わせるスタイルです。すれ違う時に船名を確認すると「LUMINOUS KOBE 2」とあり、神戸港沖を周回するクルーズ船と私は理解していましたが、「いよいよ明石海峡を越えて瀬戸内海のクルーズに出かけるのか」と思いきや、明石海峡の手前で180°旋回して、わが艇が神戸港沖を通るころには、わが艇を追い越して神戸港に帰って行った。

 後からネットで調べてみると、「LUMINOUS KOBE 2」は日本最大級の豪華レストランシップで、1994年就航、総トン数4,778トン、全長106m、全幅16m、速力18ノット、定員1,000名との事です。

 

 帰港時刻は15:40

 わが艇が14:00に神戸スカイブリッジを通過するころから、北西の風が強くなり、わが艇はクォータリーでスピードを増して行き、14:30にはごみ埋め立て地の南東角に到達し、15:00には赤灯台を通過した。西宮・芦屋港に入って強い北西の風と1m程度の波で、瞬く間に白いアーチの西宮浜大橋に近付いたが、強風でセールの撤収に手間取り帰港時刻は15:40で、復路の所要時間は4時間40分でした。