2ストロークと4ストロークエンジン船外機の始動時の違い
(スターターロープ始動の場合)
去る2月12日、長年Aeolusに搭載されていたYAMAHA8馬力2ストロークエンジンの船外機を念願の新品のTOHATSU9.8馬力4ストロークエンジンに取替えた。
新品に取替当初の3~4回はエンジン始動に何ら問題なくスターターロープを2回程度引くとエンジンは始動していました。ところが先日はどうしてもエンジンがかかりませんので、新品でもあり代理店のメンテナンス担当者に見てもらうこととしました。
担当者がスターターロープを引くとエンジンは何の問題もなくスムーズにかかりました。理由を聞くと、2ストロークから4ストロークに取り替えた場合によくある事ですが、「2ストロークのスターターロープを引く長さより、4ストロークの場合はより長く引かなければならない」との事でした。確かに私たちが長く引くと一発で始動しました。
そこで今回は2ストロークと4ストロークエンジンの違いについてお話します。なお、一般的に私たちは2サイクルエンジンとか4サイクルエンジンと言っていますが、正確には2ストロークエンジン、4ストロークエンジンと言うようです。
2ストロークエンジンはピストンがシリンダー内を1往復(上昇行程と下降行程の合計行程2回=2ストローク)して、吸入―圧縮―爆発(燃焼・膨張)―排気の1周期(1サイクル)を完結するエンジンです。すなわち2ストローク/1サイクルのエンジンです。
一方、4ストロークエンジンはピストンがシリンダー内を2往復(上昇行程と下降行程をそれぞれ2回で合計行程4回=4ストローク)して、吸入―圧縮―爆発(燃焼・膨張)―排気の1周期(1サイクル)を完結するエンジンです。すなわち4ストローク/1サイクルのエンジンです。
下図は2ストロークエンジンと4ストロークエンジンのピストンの位置と動作周期(サイクル)を表しています。(縦軸にピストンの位置、横軸に時間)
4ストロークエンジンをスターターロープを引張って始動する場合、この図で分かるように、点火は4ストロークエンジンが1回点火する間に、2ストロークエンジンは2回点火しており、4ストロークエンジンは2ストロークエンジンより1サイクルが2倍長いことが分かります。よって、その分スターターロープを長く引張って、1サイクル中の点火位置までピストンを手動で動かさなければ確実に始動しないこととなります。
なお、4ストロークエンジン購入当初の3~4回、2ストロークエンジンと同じ程度の短い長さで引張って始動したのは、たまたまその長さの範囲内に点火位置があったから始動したのであって、原理的には2ストロークエンジンの2倍の長さを引張る必要があります。
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