セーリング時の落水者救助法
落水は死亡事故に直結する最も恐ろしい事故であるから、なんとしてでも避けなければならない。よって、ヨットマンはライフジャケットの常時着用と、夜間や荒天時にはセイフティハーネス(命綱取付金具)とセイフティライン(命綱)の着用が必要不可欠である。
万一、セーリング時に落水が発生した場合にセーリング状態で落水者を救助する方法「8の字救助法」を青木ヨットスクールの資料を参考に考えてみたい。
《落水時の落水者側の実施事項と救助する側の実施事項》
落水者側実施事項:
1. 落水者は決して泳いではならない。
2. 着衣や靴も脱がない。
3. 投下された救命ブイなどを捕まえ、浮きながら救助を待つ。
救助する側実施事項:
1. 「落水だ!」大声で叫び、全員に知らせる。
2. 落水者を見失わないように見張りを立てる。
3. 救命ブイ、ライフジャケット、ペットボトルなど手近の浮く物を投げる。
4. 落水者に手を振り、助けに向かうことを知らせる。
5. 機走中の事故以外はセーリングで落水者を救助する。(「8の字救助法」)
6. 風上から救助する。(「8の字救助法」)
《セーリング時の「8の字救助法」》
① イラストはポートタックのクローズホールドで風下舷から落水者が発生したという設定
【落水時の救助側実施事項1.~4.をまず実施する】
② セールトリムはそのままで直ちにベアーし、行き足を付ける。
③
④ 行き足がつけばラフする。
⑤ 再びポートタックのクローズホールドとなり、タックする。
(その際、ジブシートはそのままで、ジブに裏風を入れたままタックする)
⑥ スターボードタックのクローズホールドから直ちにベアーする。
⑦ 落水者が確認出来たら、落水者の風上へラフしていく。
⑧ クルーはボートフックを用意する。
⑨ 落水者の風上でヒーブツ―し、停船する。
【落水者をボートフックで風下舷に引き寄せる】
【落水者をコックピットに引き上げる】