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室戸岬港・和歌山マリーナシティ クルージング(その2)

(上図は緊急避難した徳島県阿南市の伊島の全体および詳細地図)

(写真上は不安な一夜が明けた10/18のわが艇と伊島漁港の様子)

《その2 室戸岬港クルージング失敗記》

 

雨は小雨でしたが、風強く、波高い中、急遽伊島漁港の岸壁に無事着岸できました。伊島漁港の着岸場所はL字型の岸壁の北側で、先客のZen24ヨットが停泊していましたので、わが艇はその後ろに接岸しました。先客は大阪泉南田尻港のシングルハンドの方で、和歌山の潮岬から3日かけてここに辿り着いたと話していました。明日、田尻港へ帰るとのことでした。

 

私たちは本来なら伊島灯台東沖の洋上で、優雅に夕食の「すき焼き」を囲む予定でしたが、今回は生憎の天気で、伊島漁港岸壁の船内キャビンで食べることとなりました。

 

船内の照明をつけ、カセットコンロ上にフライパンを置いて、持参した食材(肝心の玉子をクーラーに入れ忘れたのは残念でしたが)で「すき焼き」を美味しくいただいた直後、船内の照明がゆっくりと消えました。

 

私たちは船のバッテリーが上がったと直感しました。メインスイッチをBOTHの位置にセットしていたため2台のバッテリー共、上がってしまったようです。

 

その上、夜が更けるにつれ雨は降ったり止んだりでしたが、伊島漁港は本島の西側に位置し、水路を挟んでその西に前島があり、本島と前島間の南北の水路が北風の通り道となり、10m/sを超える北風が吹き抜け、船体が岸壁に打ち付けられて、岸壁用の大型フェンダーも破れる始末で、未明までその対応に追われました。

 

10/18 不安な一夜が明け、雨は上がり曇り空ですが、風は依然910m/sの強い状態。先客の田尻港へ帰るシングルハンドの方はすでに朝早く出港していました。

 

私たちはとにかくバッテリーを何とかしなければなりません。わが艇の接岸したL字型の岸壁に囲まれた漁協の水産物荷捌施設で作業中の若い漁師さんに相談すると、伊島漁協からバッテリーチャージャーをフォークリフトに乗せて持ってきてくれました。2台のバッテリー中1台は充電できたものの、もう1台は充電できない状態で、充電できたバッテリーのみで船内エンジンを始動することができました。

 

エンジンが始動できたことで、まず西宮BPには帰れるとの安堵感が湧きました。そして当日のクルージングの目的地は強風と高波のため室戸岬港行を断念して、一日早く和歌山マリーナシティへ行くこととしました。